2019年の長崎くんちに踊り町として登場する今博多町(いまはかたまち)。
今博多町の奉納踊は本踊(ほんおどり)です。
おくんちといえば、コッコデショや龍踊りが有名で、ついそちらに注目がいってしまいますね。
でも、実は今博多町が踊り町の元祖だったんです。
本踊を披露する踊り町は今博多町以外にもたくさんあります。
各町とも、日舞の先生や着付けの先生にきちんと習い、くんち本番は鮮やかな、美しい着物姿で踊りを披露します。
今博多町も、花柳流の先生直伝の本踊を見せてくれます。
今回は
- 今博多町の歴史は?
- 今博多町の本踊の内容は?
- 披露スケジュールは?
についてお届けします。
長崎くんち2019踊り町の元相は今博多町だった
長崎には博多商人の町がありました。
現在は万才町(まんざいまち)といいます。
万才町は、今は長崎裁判所や大手保険会社のビルが立ち並ぶビジネス街です。
この万才町を昔は本博多町といいました。
今博多町は踊り町の始まり
今博多町は、本博多町の商人が新しく移り住んだ町です。
そして、ここは花街でもありました。
この花街に住む遊女、高尾と音羽が舞を奉納したことが、奉納踊の始まりです。
ということは、踊り町の奉納踊の始まりは、今博多町だったんですね。
そんなに歴史がある町だとは私も知りませんでした。
高尾と音羽が舞を奉納したのが1634年、今から385年も前のことです。
それから今博多町は、現在まで一度も欠かすことなく、舞を奉納し続けています。
今博多町の演目
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今博多町の演目は、「今日爰祭祝鶴舞(きょうここにまつりをいわうつるのまい)」という長唄です。
この長唄に合わせて舞うのは、長崎港に降り立つ鶴です。
長崎の港は、「鶴の港」と呼ばれ、鶴のような地形の美しい港と言われています。
6人の踊り子が、鶴になり、諏訪神社の秋のお祭りを祝いに舞い降りるという話です。
踊り子の衣装
【長崎くんち】今博多町の本踊り。#長崎#観光 #くんち pic.twitter.com/myp3qiUQ
— 長崎市観光推進課 (@nagasakikanko) October 4, 2012
踊り子の着物は、鶴をイメージした白い羽織が印象的です。
着物を始め、着付け、かつら、メイクはすべてからプロの方を呼んで行ってもらいます。
予算の関係上、踊り子さんは6人までということのようです。
こんなに美しい着物とプロの方のメイクをしてもらえるなら、参加したくなりますが、本番までの道のりはかなり大変なんですよ。
厳しい練習があるからこそ、本番に美しく羽ばたけるんですよね。
踊りの師匠は花柳流の先生
今博多町の舞を指導するのは、花柳流の花柳寿々初(すずはつ)師匠です。
花柳寿々初師匠は、今博多町だけではなく、馬町、万才町の本踊の師匠もされています。
約45年前から、おくんちの本踊りの指導に携わり、踊りの素晴らしさを広めたいと貢献されています。
今博多町のスケジュール
今博多町の各曜日と演目場所での時間です。
10月7日(月)
- 諏訪神社 7:00
- 中央公園 8:10 招待席のみ
- お 旅 所 9:10
10月7日(月)おくんちの夕べ
- 諏訪神社 16:00
- 中央公園 17:10
10月8日(火)
- 八坂神社 8:00
- 中央公園 9:00
10月9日(水)
- お 旅 所 8:30
- 諏訪神社 9:20
と、ご紹介しましたが、こちらはほぼ事前チケットで完売になっています。
桟敷席をゲットできた方は参考にしてください。
桟敷席以外で見るには立ち見席
長崎くんち、諏訪神社奉納会場なう。いやスゴイ人出です。 pic.twitter.com/6rqD096a
— 無尽探査機 (@muzintansaki) October 6, 2012
立ち見席の場所は、桟敷席の外側になります。
この写真でみると、ほぼ座っている人達ですが、この周りを囲んで立ち見席があります。
立ち見席は諏訪神社で当日に販売しています。
値段は1500円で300席となっています。
立ち見席を買うには
10月7日をおくんちでは、前日と言います。
前日の始まりは午前7時。
各踊り町が順番に諏訪神社の神様の前で奉納踊を捧げます。
立ち見席販売開始時間は午前6時からです。
しかし、もうこの時間は行列ができています。
早い人は前日の夜10時頃から夜通し並んでいます。
遅くとも、夜中3時には並んでいたほうがいいです。
庭先回りを見る
そんな、前日や夜中から並ぶなんて無理という方にはこちらです。
諏訪神社に奉納踊を済ませた後、各踊り町は、町を練り周りながら、御旅所や、八坂神社に向かいます。
向かう先々で、商店や、企業の玄関先で踊りを披露します。
それが「庭先回り(にわさきまわり)」と呼ばれるものです。
こちらの記事で、庭先回りを見る方法などを紹介してますので、ぜひ読んでくださいね。
まとめ
今回は長崎くんち2019の踊り町の元祖は今博多町の本踊!披露スケージュールは?という題でお届けしました。
動きが派手な龍踊りや獅子舞、船などに比べると、物足りなさを感じてしまうのですが、この今博多町の舞があったから、長崎くんちの奉納踊が今に残っているんですよ。
花柳流といえば舞踊の宗家、その師匠から教えていただき、わざわざ京都からプロを呼んでメイクをしてもらう。
とっても贅沢な話です。
こんな、今博多町の歴史や、おくんちにかける心意気を知ることで、奉納踊を見る感じ方も変わってくるのではないでしょうか?
ぜひ、美しい鶴の舞を堪能してくださいね。