長崎はキリシタンの地として有名なところです。長崎市内はもとより、五島や平戸、外海(そとめ)等は潜伏キリシタンの集落として今も教会がたくさんあります。
5月3日潜伏キリシタン関連遺産に世界遺産登録勧告がでました。諮問(しもん)機関「イコモス」ということろから登録勧告が出されたのですが、このイコモスが登録勧告をだすということは、ほぼ登録されることが決定ということのようです。
今回は長崎とキリシタンの歴史について書いてみました。
潜伏キリシタン関連遺産とは?
世界遺産 長崎教会群の再推薦を決定 平成30年の登録目指す https://t.co/DdlyfeuSct #世界遺産 pic.twitter.com/W2S63q6LCj
— イザ!編集部 (@iza_edit) July 25, 2016
長崎は以前から、国に長崎の魅力ある教会群を世界遺産にと、推薦申請をしていました。
申請名は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」。
1度は同じタイミングで「明治日本の産業革命遺産」の軍艦島が推薦されたことで、推薦をうけることができなかったのですが、翌年、再挑戦で申請をして推薦をうけることができました。
その流れの中で教会に焦点を集めるのではなく、キリスト教弾圧を受けた教会とその集落で暮らす潜伏キリシタンの生活を遺産価値とするということで、「潜伏キリシタン関連遺産」と名称が変更されました。
潜伏キリシタンとは?
「潜伏キリシタン」って聞きなれない言葉ですよね。
「隠れキリシタン」と言うとみなさんも耳にしたことがあると思います。
鎖国時代に開港していた長崎にはフランシスコ・ザビエルという宣教師によってキリスト教の布教が進められました。
しかし幕府のキリスト教禁止令によりキリシタン弾圧が始まり、信徒たちは迫害され、キリスト教をやめることを強いられました。
この時に隠れて信仰を続けた人々を潜伏キリシタンと呼ぶようになりました。
徹底的な弾圧と迫害を受けながら潜伏キリシタン達は250年もの間、密かに信仰を守りぬきました。
その後キリスト教解禁になった時に、潜伏キリシタンは選択を迫られます。
キリスト教として信仰するか、仏教徒になるか、今まで密かに信仰してきたものを続けるか
この時今までの信仰を続ける人が隠れキリシタンと呼ばれるようになりました。
潜伏キリシタンはキリスト教徒、仏教徒、隠れキリシタンと3種類に分かれることになったのです。
長崎と天草の関係
口之津の朝の風景 口之津灯台から望む早崎瀬戸 私の落ち着く場所 ここ口之津は長崎県の南の玄関口として熊本県天草と繋がっている。昔から交通の要衝として栄えてきた。毎年海の日を記念してマリンフェスタinくちのつが開催される。今週末土日開催♪ http://t.co/UBxCi5Q
— tohru tanaka (@tohru_tanaka) July 10, 2011
長崎の島原半島と海を隔てて正面に熊本県の天草が見えます。
お天気がいい日は長崎から天草がよく見えます。
島原からはフェリーで30分ほどで行ける身近な土地です。
天草は長崎同様、潜伏キリシタンが多い場所でした。
キリスト教弾圧と重税に苦しむ農民たちがちょうど同じ時期に天草と島原で一揆をおこしました。
天草四郎率いる天草の一揆民たちは、島原の原城に立てこもり幕府と戦い、150日間抵抗を続けとうとう陥落しました。
島原の乱です。生き残った者も全て処刑されました。
島原の乱は重税に苦しむ農民の一揆でした。
しかし農民の大部分がキリスト信者であったため、信仰の強さで団結力が強かったようです。
その強さを恐れた幕府はキリスト教は危ない宗教だと、さらに警戒心を強め弾圧に拍車がかかりました。
長崎の教会
長崎には遺産と呼ぶにふさわしい教会がたくさんあります。
五島や平戸などにもあるのですが、今回は長崎市内の重要な教会をいくつかご紹介いたします。
大浦天主堂
大浦天主堂は現存する日本最古のカトリック教会で国宝になっています。
豊臣秀吉の命で、長崎の26人のカトリック信者が処刑されました。
信者たちのめいふくを祈って、「二十六聖人の殉教」として長崎の西坂という地に祀られています。
最高司令者による初めてのカトリッック信者の処刑ということで有名になりました。
大浦天主堂はこの二十六聖人を、とむらった教会です。
2019年11月にローマ法皇が来日され、この長崎の「二十六聖人の碑」を訪問されました。
浦上天主堂
原爆投下地に近いところに立っていた浦上天主堂、現在の浦上天主堂は昭和34年に再建されました。
最初に立てられた天主堂は30年の歳月をかけて作られたもので、赤レンガ造りの東洋一といわれた大きな教会だったそうです。
出津(しつ)教会
長崎、出津教会とその周辺施設を見学した。現地ガイドさんの大量の説明が頭に入りきらなかった。 pic.twitter.com/LNQLG2IlQv
— 神龍@ZF2 RED (@azuazucartrain) March 26, 2016
長崎から佐世保に向かい海岸沿いを走るコースの途中に、夕日が見れるドライブコースとして有名な外海町(そとめちょう)の出津(しつ)教会があります。
この地域はは潜伏キリシタンの集落です。
出津教会はド・ロ神父が建てた教会で、集落の収入源としてそうめんを作っていました。
今はド・ロ様そうめんとして長崎名物の一つになっています。
ここは遠藤周作の「沈黙」の舞台になったところで、近くには夕日がきれいに見える展望台と、遠藤周作記念館があります。
まとめ
【上五島「世界遺産と教会めぐり」】祈りの島、新上五島町の世界遺産と教会めぐりのツアーへ行って来ました!上五島には歴史の長いたくさんの教会があり、世界文化遺産となった「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」構成資産もあります。
★詳しく→https://t.co/iNnXWfs3w5 pic.twitter.com/dOLHLI5DNW— ★長崎まちねた。 (@hirunavi) January 4, 2020
- 潜伏キリシタン関連遺産とは長崎、天草の教会とキリシタン集落のこと
- 隠れキリシタンは潜伏キリシタンから生まれた人達
- 長崎と天草は共に潜伏キリシタンが多い土地
- 長崎の教会は遺産として価値あるもの
この長崎から軍艦島に続いて新たな世界遺産が誕生します。
今回は長崎市内の教会をご紹介しましたが、世界遺産に認定される教会は、長崎の離島、五島にもあります。
興味がある方は、そちらも是非みてくださいね。
この夏は軍艦島と共に教会散策も一緒にしてみませんか?
歴史の町にあなたも来んね(こんね)長崎!!へ
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